toggle
2014-01-10

紙漉き修行③ ~拝宮和紙~

「拝宮」と書いて「はいぎゅう」と読む。
剣山系の南側にある、徳島県那賀町内の山間集落である。
現在は2軒の漉き場しか残っていないが、拝宮はかつて、
紙漉きが盛んな土地であったそうだ。
昨日から、その内の1軒、中村功さんの工房にお邪魔している。
2日間滞在させていただき、楮の収穫と蒸し剥ぎのお手伝いをさせてもらうためである。

中村さんとの出会いは、偶然だった。
先月、高知のロギールさんの元での研修を終え、
土佐和紙の本拠地・いの町を散策中、ふらっと立ち寄ったお店で、
和紙と紙布の展示会に関するDMを目にした。
ちょうど会期まっただ中、しかも、翌日は作家材廊日とあり、
急遽会場の高松へ向かうことを決めた。
そして、初めてお目に掛かったにも関わらず、出展者の中村さんと話が弾み、
今回の体験を受け入れてくださることになったのだった。

今日の作業は蒸し剥ぎ。
昨日刈り取って長さを切り揃えた楮の枝を束ねて、水を張った釜に入れ、
上から蓋代わりに桶をかぶせて、2~3時間ほど蒸す。
1回目は薪を使うが、2回目以降は前回剥ぎ終わった後に残った楮の枝の芯を燃料にする。
この芯材、よく燃える。すぐ燃え尽きる。
なので、頻繁に目を配る必要がある。
楮蒸し

釜の前に座り、燃材をくべる。
火の揺らぎ、火の呼吸を、じっと見つめる。
火と向き合い、火と会話する。
外は白銀の雪世界。
閉ざされた空間に流れる、贅沢な時間。
町中では味わえないひとときが、この上なく心地よかった。
雪の拝宮

Share on Facebook

関連記事